fc2ブログ

2014.04.01

芸術工学部工業設計学科、統合新領域学府ユーザー感性学専攻を卒業しました。

九州大学大学院統合新領域学府ユーザー感性学専攻を無事修了しました。
学部の芸術工学部工業設計学科の生活を含めて6年間もいました。

学部も大学院もデザインがキーワードとなる学問を学びましたが、私の性格がひねくれていることもあり、終わってみればきちんとデザインの王道を学んだとは言い難い学生生活でした。
しかし、自分の中でやりたいことさえきちんと見つければ、なんでも尊重してくれる素晴らしい学部、学府でした。
入学当初は「デザイナーになりたい!!」という志が強くなかったけれども、学校の設備や、友人、先生など素晴らしい環境が、を刺激してくれることもありました。


引っ越しにあたって、過去の作品を振り返ってみると、学校で課題・制作はいつも写真に関わっていました。周りの人にはいまさらかよと思うかもしれませんが、本人は6年経ってようやく気づきました。
大学では「デザイン」という言葉に対し、問題発見と解決を、多面的に取り組めることを目指したカリキュラムでした。(工業設計学科を例に取ると、造形デザイン、行為のデザイン、文化人類学、マーケティング、機械工学、人間工学、プログラミング、デザイン史等々、書ききれない。)しかし、その手広さ故に「器用貧乏」、「広く浅く」という言葉が芸術工学部工業設計学科の皮肉として言われることもありました。
しかし、私の場合は(結果として)好きな写真をいつも課題に絡めて取り組んできたおかげで、「写真」に対する考え方が、一般的な学問としてよく扱われる写真のハウツーや美術史の枠にとらわれない枠で理解と表現ができるようになりました。
そして先月、6年間の集大成となる修論を書いてもまだまだ、突き詰めたいことで一杯なのです。
写真を撮影してもっとたくさんの人に喜ばれたい気持ちで一杯なのです。



芸術工学部やユーザー感性学専攻を受けたいと考えている方へ
デザイナーになりたい人、それに関する職業につきたい人は言うまでもなく、受験して学んで欲しいです。
そして、工業設計にかぎらず自分の好きなことがある人もぜひ、九州大学芸術工学部、統合新領域学府ユーザー感性学専攻でたくさんのことを学んでみてほしいです。


明日からついに社会人です。
長野県の村民として、村に貢献します。
スポンサーサイト



2013.08.12

「どうか写っていてくれますように!」

今年度に入って60Dと40mmF2.8のセットが揃ってからはどこでも気軽に持ち運べるようになった。大容量メモリーカードを買ってからは、RAW現像の楽しさも再確認した。
けれども、PCに写真を取り込んで見返すと、ピンぼけや手ブレがすごく多い。構図も考えなしだったなあと振り返ることも多い。
機材は数年前より良い物になっているので、そんなミスも結構うまくカバーされている。しかし、写真一枚一枚への気遣いは昔と比べたらやっぱり減っている気がする。(RAW現像が日常化して「あとで補正しよう」と思うことが増えたのもの大きいだろう。)

今日、Twitterを介して菅原一剛のこんな言葉が流れてきた。
『「写る」ことが当たり前になっていたら、時にはフイルムで写真を撮ってみよう。撮りたいものをゆっくり見つめて「どうか写っていてくれますように!」とシャッターを押してみよう。その写真は、きっと、いつもの写真とは、違ったものになっているはずだから』
―菅原一剛―

「どうか写ってくれていますように!!」そんな期待のような不安のような思いは、僕達の試行錯誤のモチベーションとなる。少しでも「いい写真が撮りたい」という気持ちが「露出は適正か」「構図はいいか」「ピントは大丈夫か」「最高のシャッタータイミングはいつか」とシャッターを切る前にいくつもの思いを張り巡らせる。そんな思いが「次はもっといい写真を撮れるようになろう」と、知識と技術を学ばせる。
このサイクルを何度も何度も繰り返し、丁寧に撮り続けることで、撮影行為は洗練され無意識に扱えるようになる。
これを何年も何十年も繰り返しつづけることで、数々の写真家のようにカメラを構えてからシャッターを切るまでのわずか数秒、時にはコンマ数秒の一連の流れの中に全てを詰め込めるようになる、はずなのだ。


俺は気軽に撮れるスナップ写真が大好きだけど、こんな気持ちは思わず忘れてしまいがちだ。
いいスナップ写真を撮るには敏感な感性や、サッと構えて撮るフットワークの軽さは欠かせない。正直考えだす前に撮ることもある。
ただ、その写真がきちんとした技術に裏打ちされていないと、「面白い写真、印象に残る写真」にはなっても「いい写真」にはならない、多分。

俺は「タイザンの写真がやっぱり一番や!!」って言われて褒められたいし、そんなカメラキャラとして人から(社会から)欲されたい人間である。
そして写真を評価されたいと思っている限りはこういう技術的な部分はおろそかにしてはならない。

いい写真を撮るためにはやっぱり某氏のいう「どうか写ってくれていますように!」という思いは欠かせない。実際には、撮る前の理想的なイメージ、撮影時にカメラに残るあろうイメージを毎回きちんと確認することが一番の課題である気がする。

まだまだ、勉強することは一杯だ。



Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 60D ボディ EOS60DCanon デジタル一眼レフカメラ EOS 60D ボディ EOS60D
(2010/09/15)
キヤノン

商品詳細を見る

Canon 単焦点レンズ EF40mm F2.8 STM フルサイズ対応Canon 単焦点レンズ EF40mm F2.8 STM フルサイズ対応
(2012/06/22)
キヤノン

商品詳細を見る

2013.08.01

ヘルニア手術、しますか?しませんか?

昨年7月初頭、俺はヘルニアで梅田駅にぶっ倒れました。

神経痛で少しも動けない日々、総合病院で処方された薬を飲み続ける日々、小康状態になってから調子にのって生活レベルを引き上げたらまさかの再発を起こしまたぶっ倒れた日々、整骨院に通い毎日マッサージを受ける日々、運動現金でビーチラグビーができない日々、それどころか全く座ることすらできずに就活ができない日々、就職してもデザイン職あるなるなデスマーチ絶対には無理だと悟った日々、保険の効かないカイロプラクティック院で施術を受ける日々、修論が進まない日々、色々な日々を過ごして来ました。

そしてヘルニア診断されてからはや一年が経ちます。痛みは減ったものの、根本的な痛みはなくなる気配を感じさせません、困ったね。
現在は、完全に立つor寝るのみの生活を続けてきたおかげか、痛みはあるものの、ピークの時と比べたら大分ましになりました。
多少の時間を一回座るだけならあまり問題はありませんし、ランニング程度の強度の運動もできます。
しかし、夏に治ったと思ってPC作業を始めて2ヶ月後にヘルニアを再発させてから椅子に座る習慣は未だにできません。

大学院は比較的自由度のある生活ができたため、寝ながら作業・立ちながら作業なんてトンデモプレーができました。
しかし来年からは社会人として動き始めます。PCデスクの上に更に机をおいた上にパソコンを設置するなんてことも、車や自転車の座位姿勢による移動ができないためにオール徒歩移動なんてこともできません。

一年間で保存治療で癒え切らなかった結果も踏まえて手術を受けることもそろそろ真剣に考えねばならないのではないかと思ったわけです。

そこで、今回腰の精密検査をするために市の中央病院でMRIを受けて来ました。セカンドオピニオンとして新しい先生に診察もしてもらいました。



結果としては、去年よりも小さくなっているが未だに立派に飛び出したヘルニアでした。
(むしろ、今でも少し痛いけれども、ヘルニアは確かに小さくなっているというべきかも)

今回の記事は親に送ったメールをベースに書いたものです。
ヘルニアに限らず首肩腰の痛みを中心に同じように悩む人は身の回りには多いにも関わらず、インターネット上ではあまり共感できる境遇の人がいませんでした。同じ立場から手術に関するwebページは特に少なかったです。
なんかの参考になればと思い修正して今回投稿しました。

めちゃくちゃ長文です。でも、少しでも多く、少しでも正確に情報を伝えたいと思い書きました。
(私の中で自分の中で情報を整理したいのもあります。)

長すぎて推敲もしきれてないので不十分な情報・表現あるかも。その時は気軽に連絡下さい。


決断は1週間後の診察までに。
診察と検査を経て、俺は手術はするのか、しないのか?したいのか、したくないのか?
どっち!?

↓↓

2012.11.20

あの時の俺は、記念写真が好きではなかった。

プレゼンのイメージ画像に使えそうな写真を探す時、友人と思い出話をする時、今まで撮った写真をひと通り見返す時、
「あの時はなんとも思わなかったけれども、今あらためて見てみると結構いい写真じゃん」と思うことが多々ある。

当時の服装の妙な可笑しさとか、主体が決まっていないと思ったその後ろでピンぼけした友人が最高の表情をしていたこととか、逆光から撮るのが一番かっこいいと思っていたこととか。
高校時代の俺は一端のカメラマン気取りで、わざとらしい記念写真はそんなに好きじゃなかったはずなのに、学園祭を通してそんな写真ばかり撮るようになっていていることに気づいたり。
撮影時には全く意識していなかったことに気づく。それはいわゆる「懐かしい~」という感情とは全く別のものだ。

そんな発見はカメラマンやクリエイターに限った話ではないだろう。人から見られるものや、全員がきっちりとそろえた集合写真よりもむしろ、
昔使っていた携帯電話に残っていたメールのやりとりや写メールだったり、日記帳だったり、昔何回も聴いたCDといった、むしろ人目につくことを意識ない雑多なもの、情動の赴くままに残したもの(客観的に捉えることが難しいもの)にこそ気づくことが多い、気がする。
それは多くが平々凡々なものだったり、不恰好なものだったり、あまり残したくないものかもしれない。でも、もしかしたらその感情が5年後、あるいは何十年後の自分の糧になる。かもしれない。
時計やカレンダーは12回刻むことでリセットされるし、規則的な生活は同じ事を繰り返しているように感じるかもしれないけれど、客観的に見るとその時には気づけなかったことが見つかる。かもしれない。

日記や歌、写真を始めとする文化やデジタル化クラウド化による技術の発展により、感情を残すための手段は本当に簡単になった。
しかし、それを振りかえることのできる機会が同じだけ増えたかと言われたら必ずしもイエスとは言えないだろう。むしろ、簡単に(と、いうよりも無意識的に)情報を残したり集めることができるようになったことで振り返る機会を失ってさえいるような気さえする。

とはいったものの、これは決して振り返る機会を失ったことを嘆いたものではない。むしろ今は誰もが時間も手段も場所も選ばずに、自由に自身を残せる時代になった。何気ない記録が大切な思い出になるかもしれない、新しい発見になるかもしれない。たとえ写真家でなくとも、文芸家でなくとも、活動家でなくとも自分の人生を彩ることができる可能性を秘めているのだ。

振り返ることを他人や企業が強要してはいけないとは思うけれども、それでも振り返った時に得られる感動や発見が少しでも多くの人に触れて欲しいと思う。
俺はまだクリエイターはおろか社会人にもなれていないけれども、いろいろな形でかけがえのない人たちにかけがえのない思い出を与えられるようになりたい。と、おぼろげながらに思う、11月の下旬でした。

2012.10.14

贈るということ

誕生日を迎えた友人がFacebookに一つの投稿をしていた。
「誕生日の挨拶がSNSで済ませがちの中で、お祝いのメールを直接くれる人がたくさんいてすごく嬉しかった。」

確かにその通りかもしれない。
Facebookに投稿する自分のコンテンツにイイねボタンが押されると嬉しい。けれども、コメントをくれたらもっと嬉しい。そんな中、記事を見てメールや電話でわざわざ連絡をくれた時には「なんてマメなやつなんだ」と思いさえもする。
けれども、ふと思い返してみると10年前は「メールひとつで終わる誕生日なんて寂しいもんだ」なんて言われていたような気がする。
感情がにじみ出る手紙や電話と異なり、メールによる無機質な文字情報では伝わるものも伝わらないと。
ただ、今となっては学生のようなSNSを頻繁に使用する人(携帯を用いてメールやイイネを自在に操る人)にとってはそんなことを疑問に思う人はあまりいないだろう。

ただメールは昔よりも案外面倒な行為になっているから全体の関係は案外変わっていないのかもしれない。
極端な話ではあるが、昔はコンタクトの方法が
対話>手紙>電話>メール
くらいしかなかったものがSNSが多くの人により身近なものになったことで
メール>SNSでのコメント>イイねボタン
と、メールより簡単な方法が生まれてしまったがために今回のようなことが起きてしまったのだろう。

俺が思うに、きっと多くの人は楽な方法があったらどこまでもそれを選択し続けてしまうのだと思う。
そんな人たちに手間暇かかるアナログ操作の持つ魅力に伝え促すことは難しい。
いいねボタンよりも簡単に伝えられるものができたときには、きっとイイねボタンを押されることにすら感動をしてしまう日が来てしまうかもしれない。

そんな中、私たちはどんな時代であろうとも、人から贈られたモノのストーリーを感じることができる。
丁寧に書いた手紙には書き手の感情を感じ取ることができるし、たとえ無機質な文字データであっても美しい言葉から成るメールは自分のことを思って文章を考える姿を想像させる。
伝え方はなんであれ、それを受け取った時に想像させる贈り主の姿が、時に贈られたものよりも嬉しいものになるのではないのだろうか。


「贈る者は、汗をかけ」(岩崎俊一/西武百貨店/1987年)


コピーライターの岩崎俊一さんが作ったお中元のキャッチコピーである。
送るのはモノなのだけれども、大事なのはそれだけではなくて自分の想いをあれこれ考えて贈ることなのかもしれない。
モノじゃなくてもいい。メールでもいい。(きっといつかは)イイネでもいい。ただ、ほんの少しの想いやりを込めて贈ることで相手にとってきっとかけがえのないものになる。

大切なことはきっと、昔も今もそんなに変わらない。
«  | HOME |  »